【業務週報】外国人集住都市のSOS

今週は、東京で外国人集住都市会議の開催、経団連の外国人移民受け入れの提言の発表がありましたが、経団連の提言の内容を見たら外国人集住都市に住んでいる人たちはびっくりするんじゃないかと思いました。

外国人集住都市会議というのは主に日系ブラジル人を中心とする外国人比率の高い自治体の集まりなんですが、「会社の中は外国人だらけ」、「学校も外国人児童だらけ」、「お隣さんも外国人だらけ」という50年後の日本を予測するかのようなシュールな地域社会が出来上がっているんです。

で日本人の住民と外国人の住民が仲良くやっているか、多文化共生できているかというと、必ずしもそうではない。逆に受け入れに苦労している、外国人子弟の教育、社会保障、外国人犯罪、今だと間接雇用による外国人労働者の雇用不安などいろいろな問題が起っている、しかも改善の目処さえ立ってないという状況だと思うんです。

それにも関わらず今後さらに外国人労働者を、しかも移民として受け入れるという今回の提言は、まあ非常に中央と地方、そして財界と実際の現場との温度差や姿勢の違いを感じます(提言では高中度外国人人材の受け入れが想定されており、単純労働分野への外国人受け入れには未だ慎重のようですが)。

定住外国人を現に受け入れている集住都市のほうはもっと声を大にして意見したほうがいいと思うんですけどね。安易な外国人受け入れがどういう結果をもたらすかという警鐘の意味もありますし。しかし外国人受け入れの社会コストを誰が負担するかというのは本当に難しい問題です。

日本経済の競争力維持へ移民受け入れを 経団連が提言書

日本経団連は14日、人口減少社会に向けた提言書を公表した。高度な技能をもつ人材や留学生を中心とする移民を海外から受け入れ、日本経済の競争力を保つべきだとの見解を示した。これまでも外国人の働き手が必要と主張してきたが、移民の受け入れまで踏み込んだのは初めてとなる。

「人口減少に対応した経済社会のあり方」と題する提言をまとめた。今後50年の間に、日本では働き手となる15―64歳の人口は4600万人弱に減る。今よりも半減することを踏まえ、人材確保が欠かせないと強調した。その柱として「日本型移民政策」の検討を掲げ、関連法整備や担当大臣設置を求めた。高度人材や留学生に加え、看護師といった一定の資格をもつ「中度人材」の活用にもふれた。

経団連の試算によると現状の医療・介護分野のサービスを維持するには2055年時点で約180万人が足りないという。単純労働者については「先進国の過去の移民政策の失敗もあり、さらに議論を深めていくべきだ」と慎重な姿勢を崩していないが、相当規模の受け入れを想定した議論が欠かせないとした。(14 日 22:20) NIKKEI NET

浜松など全国26市町が参加し 東京で外国人集住都市会議

2008年10月16日 中日新聞
教育や災害時の支援を

浜松、湖西、磐田、掛川、袋井、菊川、富士の県内7市など外国人が多く住む全国26市町でつくる「外国人集住都市会議」(座長都市・岐阜県美濃加茂市)は15日、東京都内で大会を開いた。外国人の日本語学習や災害時支援、雇用などについて国や県、経済界への提言をまとめ、多文化共生社会の形成に取り組むとした「みのかも宣言」を採択。市長らが国の担当者と活発に意見交換した。 (平野誠也)

提言は「生活者としての外国人と地域コミュニティとのかかわり」「地域における企業の外国人への支援及び自治体との連携」「外国人の子どもの教育」の三本柱。

このうち「生活者-」については、生活に必要な日本語の習得機会を保障する制度の創設や、入国する外国人に対する災害時の心得などのオリエンテーション実施など23項目を提言。大会では湖西市の三上元市長が発表した。

意見交換には県内から4市が参加。浜松市の鈴木康友市長は外国人の子どもに対する市の学習支援などを紹介。「こうした施策の充実が求められる中で、もう市単独では大変難しくなっている」として、国からの財政支援を求めた。磐田市の鈴木望市長は、外国人学校でも健康診断を行えるよう要望した。

財政支援について、文部科学省の担当者は教員増の取り組みなどに触れたが、「思うに任せない部分はある」と財政難に理解を求めた。

また、掛川市の戸塚進也、菊川市の太田順一両市長は、市町村の自治事務として国が新たに検討している外国人台帳制度に関連し、在留管理のあり方や、自治体への財政支援などをただした。

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