業務週報」カテゴリーアーカイブ

【業務週報】短期ビザ、出国準備ビザからの変更申請2連発

「払拭するのが俺の仕事」と嘯いてたら、不許可のリカバリー案件や難易度の高い案件ばかり来るようになり悶絶するこの頃です(笑)
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先々週、先週は何と短期ビザで来日中の外国人の方と出国準備ビザの外国人の方の変更申請2連発。

一発目はいわゆる外国人配偶者の連れ子の定住者ビザへの変更。小さい子供ほど許可が出やすいのですが、今回の申請者はもうハイスクールを卒業しているという年齢(汗)。失敗は許されませんので入念にインタビューし理由書を作成し申請したら何と2日で許可。案ずるより産むが早しということでまず1勝。

二発目は自分で人文ビザの更新をしたら雇用会社のミスにより更新不許可となり30日間の出国準備の特定活動ビザとなってしまった外国人のリカバリーの変更申請。幸い出国準備期間中に在留資格該当性の職種のある会社からの内定を貰えなんとかビザの期限内で申請。紆余曲折ありましたが、追加資料の提出の翌日に許可の通知で2連勝。

短期ビザや出国準備ビザからの変更申請は余程合理的な理由がないと許可されませんし(そもそも申請自体も入管は嫌がる傾向が)、変更する理由をうまく説明しないといけないですし、時間との闘いでもあります。

ということで、不許可になってしまった案件、再申請案件は業務に精通している弁護士や申請取次行政書士などの専門家に相談、依頼することをオススメします。

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【業務週報】水無月は外国人の摘発が多い月

今月はニュースをチェックしていると偽装結婚や資格外活動違反の摘発が多いような。

というのは今月6月は毎年「不法就労外国人対策キャンペーン月間」で入管や警察の摘発が集中的に行われる月なのです。ニュースを見ていると、今年は査証免除の国からノービザで来日して売春をしたり、風俗店で働く偽装結婚中?の外国人がいろいろ調べられて、偽装結婚が発覚したり、外国人留学生が風俗店で働いていて資格外活動違反で逮捕されるというケースが多いようです。以前は不法就労というと稼げる工場での就労が多かったのですが、製造業の海外移転でそういうケースは減少しつつあるみたいですね。やはり「風俗は不況に強い」と思いました(苦笑)。

オーバーステイ外国人もピークの1993年には30万人もいたのですが、どんどん減少を続けており今では何と62000人まで減ったそう。企業のコンプライアンス意識が進んだのか、摘発の成果か、日本の国力の低下のための自然減が原因か分かりませんが。

在留カードの運用が始まり正規に滞在する外国人の入管審査も厳しくなっておりますし、入退社などの在留カードの届出、社会保険、納税など、外国人にまつわる手続は煩雑さを増しております。適切に外国人を雇用したい会社はお問い合わせください。

中国人と偽装結婚容疑 陸自陸曹長逮捕 京都府警
2013.6.17 18:52 [外国人犯罪]産経ニュース

日本の在留資格を得るために偽装結婚をしたとして、京都府警外事課は17日、公正証書原本不実記載・同供用容疑で、陸上自衛隊桂駐屯地(京都市西京区)の中部方面後方支援隊陸曹長、谷本孝行(53)=京都市南区久世大藪町=と中国籍で、風俗店従業員、孟(もう)迪(てき)(31)=同市下京区吉文字町=の両容疑者を逮捕したと発表した。いずれも容疑を認めている。

2人の逮捕容疑は平成23年11月22日、孟容疑者の日本での長期在留資格を得るため、結婚生活を送る意思がないのに、同市南区役所久世出張所に婚姻届を提出し、偽装結婚をしたとしている。

府警によると、孟容疑者は平成15年3月に就学ビザで来日。婚姻届を提出後、2人が一緒に生活していた形跡などはなく、結婚生活の実態はなかったという。

調べに対し、谷本容疑者は「金に困ってやった」と供述。府警は、金銭の受け渡しの事実確認や2人が知り合った経緯、偽装結婚を仲介したブローカーがいなかったかどうかなどについて捜査を進め、事件の全容解明を急いでいる。

陸上自衛隊桂駐屯地は「現在、警察で捜査中であり、事実関係を確認して適正な措置をするまではコメントを差し控える」としている。

ワーキングホリデーで来日の女を就労させた容疑 韓国パブ経営の女を書類送検 神奈川県警
2013.6.18 14:48 産経ニュース

ワーキングホリデーと観光ビザで来日した女2人をホステスとして働かせたとして、神奈川県警国際捜査課などは18日、入管難民法違反(不法就労助長)容疑で、同県大和市中央の飲食店経営の女(60)=韓国籍=を書類送検した。容疑を認め、「だめとは知っていたが、(ワーキングホリデーの場合)ちょっとぐらいの時間ならいいと思った」と供述しているという。

送検容疑は、4~6月の間に、ワーキングホリデーの資格で来日していた相模原市南区上鶴間のホステス、金多榮(キム・ダヨン)容疑者(28)ら韓国籍の女2人=いずれも同法違反(資格外活動)容疑で逮捕=を、経営する同市内の韓国パブでホステスとして働かせ、不法就労活動をさせたとしている。

2人はいずれも容疑を認め、金容疑者は、「写真の勉強をしに来た。最初は(横浜市)伊勢佐木町で、その後大和市内で(同店を含めて)2カ所、ホステスとして働いた」と供述しているという。

ワーキングホリデーは、文化などの相互理解を深める目的で、2つの国・地域間で18~30歳の青少年を行き来させる制度。

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【業務週報】使命を終えた定住ビザ?

ここ1~2ヶ月、ポルトガル語新聞にコラムを掲載。原稿執筆のお仕事もお待ちしてます。

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「定住者」という在留資格があります(以下定住ビザ)。定住ビザの中にもいろいろなカテゴリーがあり、大きく分けると

1)日系3世
2)日系2世、3世の配偶者
4)未成年の日系4世、日本人配偶者の連れ子
5)日本人と離婚した外国人
6)日本人の6歳未満の特別養子

などの外国人が該当します。

愛知県や静岡県は日系ブラジル人が多く、私の外国人知人やお客さんにも「定住ビザ」の人が沢山いるのですが、リーマンショック以降、日本での生活が安定せず「定住できない定住者」となっている感があります。

定住できない理由はいろいろですが、日本社会側の問題点として、雇用主である日本企業が定住者を景気の調整弁として使うこと。多くの定住者は派遣労働者で雇用期間も短く、不況になると真っ先に首を切られる状況が20年以上も続けられています。

一方、定住者側から見ると、日本語能力やスキルがないまま来日し、来日後も日本人と接触せず同国人コミュニティー内で生活する者が多く日本社会の底辺を彷徨って上昇できないという感があります。技能実習生のように母国で日本語を学んで来日し、仕事しながら日本語能力やスキルがアップするようなシステムがあれば良いのですが、これも改善される兆しはありませんね。

定住ビザが作られた1990年当時日本はバブル景気で単純労働者が不足しており、職業制限のない定住者は金の卵でしたが、今の日本は工場の海外移転で空洞化が進み、製造業の単純労働者が余っているような状況、ビザの審査を厳格化し定住者の入国を制限するのも仕方がないのかも知れません。もしかしたら定住者の存在価値は終わったのかも知れません。

一方、日本生まれ、日本育ちの定住者や定住者上がりの永住者も増えており、彼らは日本人と同じアイデンティティーを持っています。彼らに期待するしかないんでしょうね。ということで、日本語能力やスキルをつけて日本で定住できるよう頑張りましょう。どの道、日本は少子化で今後外国人の力を借りなければいけなくなるのですから。

「再入国拒否は違法」 日系ブラジル人、国を提訴 静岡
2013.5.9 02:10 MSN産経ニュース

国の帰国支援事業を利用して母国に帰国したことを理由に、日本への再入国を認めないのは違法として、サンパウロ在住の日系ブラジル人女性、フテンマ・ジュリアネさん(21)が8日、国を相手取り、処分の取り消しを求める訴訟を静岡地裁に起こした。女性の夫フテンマ・ルカスさん(22)と代理人弁護士が、会見で明らかにした。

訴状によると、ジュリアネさんは両親とともに7歳の時に来日。浜松市で生活していたが両親が失業したため平成21年6月、国が帰国費用を支給する同事業を利用してブラジルに渡航。23年に同事業を利用せず帰国していた夫と結婚した。夫は昨年、ブラジルから日本に戻り浜松市内で就職。妻を呼び寄せようと名古屋入国管理局の浜松出張所に在留資格を申請したが、同事業を利用したことを理由に再入国は認められなかったという。

事業利用者の再入国について弁護側は「国は3年をめどに認めるとしていたはず。事業を理由に拒否することは入管法に記載されていない」と指摘。ルカスさんは「思春期を過ごした日本で妻と暮らしたい。多くの人に支援してもらいたい」と話していた。

事業を所管する厚生労働省の担当者は「経済と雇用の動向を踏まえ、3年後に検討するという内容だった。雇用情勢が一定の水準に戻るまでは入国はできない」としている。また、法務省審判課は、「訴訟の場において明らかにしたい」とコメントした。

入管一転、在留資格認定 日系ブラジル人女性に
(2013/5/30 7:44) アットエス

政府の帰国支援事業を利用した日系ブラジル人女性が、再入国を拒否されたのは不当として国を提訴した問題で、名古屋入国管理局は29日、女性の入国を認めないとする決定を取り消し、在留資格の認定証明書を発行した。訴訟によって女性の妻という身分を再検討した結果とみられ、浜松市役所で会見した女性の夫=同市中区在住=や原告側代理人らは「誠実な対応。やっと夫婦一緒に暮らせる」と喜びを表したものの、再入国を制限する国の制度そのものにはあらためて疑問を呈した。
女性(21)はサンパウロ州在住。代理人によると、夫の日系人男性(22)は同日午後に同管理局浜松出張所で、再入国不可とした今年1月の決定の取り消しを告げられ、女性の認定証明書を渡されたという。
一転して再入国を認定した理由について、同管理局の入国審査官は「妻という新しい身分を得たことについての審査が不十分だった」と説明したという。
今回の決定を受け、静岡地裁に起こした訴訟は「裁判の目的は達成されたので取り下げる可能性が高い」(代理人)とした。しかし代理人は「結婚という個別の審査の範囲にとどまり、再入国を制限する制度そのものには何ら決着がついていない」と指摘した。
訴状によると、女性は7歳で両親と来日し、浜松市で生活していたが、2009年6月に失業中の両親と一緒に支援事業を利用してブラジルに帰国。11年に、支援事業を利用せずにブラジルに帰国していた男性と結婚した。
男性は12年に日本に再入国して浜松市内で就職。女性を日本に呼び寄せようと名古屋入国管理局浜松出張所に在留資格認定を申請したが、支援事業で帰国したことを理由に認められなかった。

日系人帰国支援事業 リーマン・ショックを受け、日本で失業した日系人を対象に、母国への帰国費用を政府が支給した事業。2009年4月にスタートした。当初、支給を受けると日系人の身分に基づく在留資格での再入国は認めないとしたため、海外の批判を受けた。政府は同5月、再入国の禁止期間を「原則3年をめどにする」との方針を示した。

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【業務週報】エスニック料理店の経営は難しい

先日参加した名古屋のタイ・フェスティバル。やはりタイ人調理師が人海戦術でタイ料理作ってました(笑)
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私の取引先には外国人調理師が在籍するエスニック料理店・飲食店が結構多いのですが、一昨年、去年辺りから調理師の招聘が難しくなってしまい、経営者とともに人員確保に頭を痛める毎日。

エスニック料理店を経営するには、外国から本場の調理師を連れてきて本場の料理を提供するのが一般的。何故調理師が難しくなってしまったのかというと大きく分けて2つの理由があります。

一つは日本側の理由。良いか悪いかは別にして、外国人調理師が増えすぎてしまい、入管局が外国人調理師の新規の入国を制限しているような状況があります。まあ技能ビザで来日して、資格外活動違反で別の仕事に就くような不埒な輩もいますし、不況でお店の経営状況が悪く、招聘するお店が潰れ賃金未払いなどのトラブルもあります。要は入管局は管理しにくい外国人調理師をあまりよく思ってないのです。

もう一つは外国人調理師側の理由。要は超円安で日本で就労するメリットが減少してしまったということです。中国やインドネシアの方と情報交換すると、あちらの賃金上昇は凄まじい一方、デフレ日本は人手不足とは言え、先行き不透明でなかなか賃金を上げることはできませんから。こういう状況だと、母国で稼げる優秀な調理師はわざわざ日本に来ませんよね。

長引く不況、外食控えにより飲食店の経営は厳しい状況が続いていますが、エスニック料理店は上記のような理由で更に厳しい状況。飲食やるんだったら、○亀製麺や○ンショーのようになるべく自動化して調理もバイトパートに任せ、多店舗経営したほうがよっぽど楽に成功するような気が。

というわけで、エスニック料理店を始めるときは、決して成功するぞ!などと考えず、趣味だと割り切るようにしましょう(笑)

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【業務週報】ベトナム出張報告

まさか誕生日に実習生の日本語挨拶攻撃に合うとは(笑)
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今年のGWはベトナムのハノイへ出張に。

現地ではベトナムに進出した日系企業の駐在員の方や、現地で起業されている日本人の方、技能実習生やエンジニアの送り出し機関の方々と有意義な情報交換ができました。

ベトナムは親日国ですし、人口が8500万人もいて今だ増え続けており労働力も潤沢、日本企業の進出先としても労働者の受け入れ先としても魅力的な印象を受けました。チャイナプラスワンは今後も加速するんでしょうね。滞在中停電がしばしばあったり、電車や道路などのインフラが悪かったり、タクシーで英語も中国語も通じなかったりなどなど、まだまだ発展途上なところもありましたが。

また、今回は成田→台湾→ベトナムという乗り継ぎの悪い飛行機だったのですが、台北ハノイ便は台湾に出稼ぎに行く「越南外勞(ベトナム人労働者)」や台湾人男性に嫁ぐ「越南新娘(ベトナム人花嫁)」らしき人々が沢山乗っており、ベトナム人(労働者)の人気ぶりを見せつけられました。日本も外国人労働者の地位や待遇を上げていかないと、他の国に労働力を取られてしまうのでは。

というわけで、現地でお世話になった方々ありがとうございました。今後も優秀な外国人労働力を求めてインドネシア、ミャンマー、タイ、ネパール、カンボジアなどの海外へ出張する予定ですので現地在住の日本人、日本帰りの現地の方々は是非ご協力してくださるようお願いいたします。

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【業務週報】留学生30万人計画と大学ユートピア特区構想

先月は年度末でドタバタしてたため、久しぶりの更新となります。

今年は円安や株高やアベノミクスの影響か、卒業やビザの期限寸前に急に内定が決まった留学生が多かったため、急な問合せや依頼が多くて参りました。

しかし、毎年外国人留学生の人文ビザや技術ビザなどの就労ビザへの変更申請をやってますが、いろいろ矛盾を感じることが。

まず、日本での就職、日本企業への就職を希望しているのに就職できる留学生が少ない。内定が取れても不許可になってしまうような申請が今だ多いんです。偏差値の高い大学の留学生はまだいいのですが、外国人留学生を多く受け入れている大学や専門学校、そして初めて外国人を雇用する会社に限って就職サポートや対応がアレという現実はなくなりませんね(苦笑)

次に、日本に来る留学生の質。留学生30万人計画で人数ばかり集めている影響か、日本語能力はあるのですが、考え方がアレな留学生がいかに多いことか。日本に留学に来ている留学生を採用せず、海外の大卒者の直接採用を希望する企業が多いのも頷けます。

京都では「大学ユートピア特区構想」という大学を卒業したら即永住ビザを付与するという特区申請をするそうですが、留学生30万人計画と同じで量ばかり増えても質が伴わなければ意味がないような気が。

人口減少、高齢化、空洞化で日本も待ったなしかも知れませんが、無理に外国人で帳尻合してもまたいろいろ問題がおきますよという話題でした。

中国人女性初の正社員入社…三重・鳥羽のホテル

三重県鳥羽市安楽島町の鳥羽ビューホテル花真珠に今月1日、中国人女性が初めて正社員として入社した。

愛知文教大(愛知県小牧市)を今春、卒業した山東省出身の付娜娜(フナナ)さん(24)で、「最高の笑顔で人を癒やす接客のプロになりたい」と張り切っている。

付さんは、故郷の観光専門学校で旅行業や日本語を学び、2007年には1年間、鳥羽ビューホテルで研修した。毎年3人の中国人研修生を受け入れている同ホテル女将(おかみ)の迫間優子さん(31)は、「頭の回転が速くしっかりしていて、1人でワンフロアを担当したこともある。これほど優秀な研修生はいなかった」と振り返る。

08年夏に中国へ戻ったが、「おもてなし」を大切にする日本のホテルウーマンへの夢は広がるばかり。学費をためて09年に愛知文教大国際文化学部へ入学、英語も習得した。夏、冬の長期休暇には同ホテルでアルバイトし、接客の経験を重ねた。母親(52)は外国での就職に反対していたが、一緒にホテルに宿泊すると、「このホテルなら」と納得してくれた。

迫間さんは「館内をすべて把握しており即戦力。今はフロントを担当しているが、将来は2人で外国へ営業に出たい」と期待する。

日中関係が複雑な中、宿泊客から厳しい言葉をかけられたこともあるが、多くの人から激励や感謝の手紙をもらったことが財産という。2日には台湾からの観光客を担当した。「ありがとうと言われるのが何よりもうれしい。中国人観光客には、和室の素晴らしさや日本特有の文化を伝え、心からもてなしたい」と話している。
(2013年4月7日 読売新聞)

山田知事が特区構想 「大卒以上で永住権」実現性は? 京都

■留学生増目指し申請へ

■今年度中に計画とりまとめ

政府の産業競争力会議が安倍晋三首相主導の「アベノミクス戦略特区」の創設に向け検討を始めたことを受け、山田啓二知事は、府内の大学などを卒業した留学生を対象に、永住権申請の資格を付与できる特区を盛り込むよう6月までに政府に要望する方針を明らかにした。今年度中に具体的な計画をまとめ新制度が創設され次第、申請する方針。実現すれば全国に例のない特区になるが、法改正などが必要になる可能性があり実現できるかどうかは未知数だ。 (栗井裕美子)

10日、京都経済同友会の特別委のメンバーから留学生の支援策などで連携を求められた山田知事は「留学生対策をこれまでしっかりやってこなかった。思い切った対策を講じる必要がある」とし、「優秀な人材が日本を目指さず違う方向に行くのはもったいない。特区申請時に、留学生の永住権付与を盛り込みたい」と述べた。

その後、取材に応じた山田知事は、対象として府内の大学・大学院を卒業・修了した留学生らを想定しているとしたうえで、「日本は英語圏ではない。各国で留学生の奪い合いになるとインセンティブが必要」と述べた。

府によると、シンガポールでは大学などの卒業後に永住権が与えられ、オーストラリアでは、看護師など政府が指定するコースを修了すると永住権を申請できるという。日本では外国人が永住権を得るには10年以上継続して在住するなどの条件を満たす必要がある。

ただ、府内の大学や大学院の卒業・修了を条件に、日本国内の永住権を付与することには、法改正などが必要になる可能性がある。

府の担当者は「特区に興味を持ってもらえる大学などと共同で研究を進めたい」。法務省入国管理局は「大きな改革ならば現行法では対応できない」としたうえで、「特区の内容も定まっていないので、はっきりとしたことは言えない」と話した。

府や経済、文化など各界で作る「京都の未来を考える懇話会」は平成24年3月、少子化に備え、留学生を増加させるための優遇措置などを盛り込んだ「大学ユートピア特区」の申請を提言していた。(MSN産経ニュース)

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【業務週報】増えすぎた中国人技能実習生と落ちた質

広島で中国人技能実習生による無差別殺人事件が起こってしまいました。

現在、日本で単純労働可能な外国人労働者は大きく分けて定住ビザの日系人と技能実習生のみ。日系人はリーマン・ショック後の派遣切りや製造業の空洞化で大きく減少してしまいましたが、技能実習生は賃金が安いこともあり、不況下でも増え続けているんです。

しかし、日系人が労働環境が割合しっかりしている製造業で主に就労しているのに比べ、技能実習生は人手不足や高齢化著しい第一次産業での雇用も盛んですから、労働環境の不備から今回のような悲しい事件が起こってしまうわけです。

もう一つの問題点として、技能実習制度は送り出し機関が技能実習生を採用し、事業協同組合などの監理団体が管理し、実習実施機関とよばれる企業が雇用するという形が一般的なのですが、これがよくボタンのかけ間違いを起こし、いろいろ問題が起きてしまうのです。問題が起きたら責任のなすり合い。JITCOも監査は熱心にやりますが問題が起きても責任なんか負いませんからね。

国も民間団体である組合が監理する団体監理型が起こす不正行為が多いことを把握しており、昨年11月に省令が厳格化されたのは関係者の皆さんは知っているでしょうし、外国人介護士の受け入れが民間に開放されないのも技能実習生制度のトラブル多発が原因であると私は推測しています。

ただでさえ奴隷制度と批判されている技能実習制度、これ以上問題が起こり、バッシングされると技能実習生制度自体立ちゆかなくなる可能性もあります。特に中国の技能実習生は震災以降の日本離れで優秀な実習生の採用が難しくなっていますし。安倍首相がTPPの交渉参加を表明したことですし(外国人労働者は増えるでしょうが、外国産の安い農産物が入ってくるので日本の農水産物も危機という両手の剣)、今後も趨勢を見守って行きたいと思います。

カキ生産支える外国人実習生

江田島市のカキ養殖加工の水産会社で8人が殺傷された事件は、中国など海外からの技能実習生が支える生産現場に波紋を広げた。技能習得よりも「出稼ぎ」の側面が強まる現場の実態が、職場での人間関係やトラブルにも影を落としている。

底冷えのする作業場にカキを打つ音が響く。広島市西区草津港の水産会社。作業をする16人のうち4人を除く12人は外国人。内訳は中国人3人とフィリピン人9人。日本人の男性社員(33)は「日本の若者は避けがちで、外国人に頼るしかない」と打ち明ける。

廿日市市の業者では中国人3人が働く。「家族と同じ」と岡島幸夫社長(46)。休憩時間には自らコーヒーを入れてねぎらう。

市内の別の業者で働く中国出身の王潔さん(25)は「日本語はうまくないけど、身ぶりを交えて積極的に話したい」。月給から寮費などを引かれると約11万円。そこから親元へ仕送りもする。

今回逮捕された中国出身の陳双喜容疑者(30)は、勤め先に同郷の同僚はおらず、日本語に不慣れで周囲と交流は少なかったという。

呉市の60代の生産者女性は「他の経営者が大声で怒鳴る姿も目立つ。悩む実習生もいるだろう」。草津港の水産会社の木村洋三社長(63)は「技術の習得が本来の目的だが、経営者も技能実習生も出稼ぎ感覚で捉えている面がある」と技能実習制度のあり方に疑問を投げ掛けた。(中国新聞’13/3/16)

待遇不満 過去にも刺殺事件 トラブル多い外国人実習制度
2013.3.15 09:41産経ニュース

陳双喜容疑者は、「外国人研修・技能実習制度」を利用して来日していた。この制度は途上国への技術移転と人材育成を目的に平成5年から実施されているが、各地でトラブルが絶えない。

法務省によると、23年末時点で同制度を利用した約14万2千人の技能実習生が滞在しており、うち中国からが10万7千人を占める。多くが人手不足で悩む地方の工場や農家で働く。

しかし、長時間労働や、福利厚生が未整備といった劣悪な労働環境が問題化。18年8月には、千葉県木更津市の養豚場で中国人男性が待遇面での不満から受け入れ先の団体役員を刺殺する事件も発生した。

22年7月には改正入管難民法が施行され、2カ月間の日本語研修などを受ければ労働関係法令の適用対象となった。

だが、今月4日にも長崎地裁が、時給300~400円の低賃金で実習生を働かせたとして縫製会社に慰謝料など約1064万円の支払いを命じるなど、労働環境の改善には至らないケースも多い。

中国人実習生8人殺傷…「人使いが荒い」人間関係トラブルか?
水産会社で刃物振り回す 現場の水産会社

広島県江田島市にあるカキ養殖加工の水産会社「川口水産」で14日午後4時半ごろ、男が刃物を持って暴れていると110番があった。社長の川口信行さん(55)と水産作業員の橋下政子さん(68)が死亡、男女6人も負傷した。県警は殺人と殺人未遂の疑いで、現場にいた中国籍の水産加工技能実習生、陳双喜容疑者(30)を現行犯逮捕。「人間関係にトラブルがあった」と供述している。

カキが有名な瀬戸内海の静かな島にパトカーや救急車のサイレンが響き渡った。県警によると、陳容疑者は14日、「調子が悪い」と言って仕事を休んでいたが、夕方になって突然現れ、刃物を持って暴れだした。ほかにスコップなど複数の凶器も持っていた。

社長の川口さんと作業員の橋下さんが死亡したほか、60~70代の従業員ら男女6人も負傷し、うち女性1人が重体。この女性は広島市消防局のドクターヘリで広島市内の病院に搬送された。重体や負傷の男女らは当時、カキの殻をむく作業場にいたという。

陳容疑者は「殺そうと思って殴ったりした」と容疑を認めている。胸に複数の刺し傷があり「自分で刺した」と話している。ヘリコプターで広島市の病院に運ばれたが、命に別条はない。

陳容疑者の友人の中国人男性によると、陳容疑者は昨年9月ごろから勤務。「社長は人使いが荒くて、言葉が悪い」「ばかと言われたりする」などと不満を漏らしていたという。

陳容疑者は動機について「人間関係にトラブルがあった」という趣旨の供述をしている。県警は、仕事上のトラブルがあった可能性もあるとみて調べている。

別の水産会社代表の話では、陳容疑者は川口水産の建物に居住。同社には陳容疑者のほかに外国人はいなかったという。

現場は漁港の海岸沿いで、フェリー乗り場に近い場所。近所の住人によると、付近にはカキの加工場が数軒並んでおり、養殖用のいかだから水揚げしたカキの殻を作業員がむく仕事をしている。

広島県名物として知られるカキの生産は、深刻な担い手不足の影響で、現在は中国や東南アジア各国から来日した労働者が支えている。加工場で殻むき作業に当たる人は「打ち子」と呼ばれ、事件があった江田島市ではここ10年で中国人研修・技能実習生が増加した。 2013年3月15日 06:00 スポニチ

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【業務週報】台湾ラーメンえとせとら

愛知県人は一体一年に何十杯台湾ラーメンを消費するんだろう?
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愛知県の中華料理で「台湾ラーメン」という食べ物があります。

もともとは名古屋の中華料理屋さんが台湾の屋台料理の「担仔麺」をアレンジして作り出した料理で、私が初めて食べたのが1995年位と記憶しています。ピリ辛の挽肉がノッてて癖になるんですね。

愛知県で定住の中国人が増え、中国人が経営する中華料理屋が多くなると、彼らは皆こぞって「台湾料理」の看板を掲げ「台湾ラーメン」をメニューに掲げました。私の取引先の中華料理のお店に聞いても醤油ラーメンより台湾ラーメンのほうが注文が多いほどの人気メニューだそう。

先日、台湾人の知人が来日た時に台湾ラーメンを食べさせたら「こんな担仔麺に200元(日本円で約600円)も払うなんてアホか」と罵倒されました(笑)

台湾ラーメンが担仔麺とかけ離れてしまってことは事実ですが(担仔麺は台湾ラーメンみたいに辛くないんで)、この位「現地化」させ、現地の人たちに支持される味にしないと商売として成り立たないということで台湾ラーメンはアリだと思います。台湾で食べる日本料理でも日本にない日本料理はいっぱいありますし。

商売って難しい~というお話でした。

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【業務週報】外国人技能実習制度でまた不祥事

経済発展、賃金上昇、日本離れで人手が集まらなくなった中国の技能実習生。いつまでもつんでしょうか?

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私は複数の事業協同組合で外国人技能実習生の管理運営やビザ申請のサポートをしているのですが、これがものすごく大変。

組合は送出し機関が送り出す技能実習生と技能実習生を雇用する企業の双方を監理するのですが、双方とも○○○○な人が多く(苦笑)、板挟みになるんですね。

組合の理事や事務の方達と円滑に、トラブルなく技能実習生制度を運営しようと日々健闘しているのですが、技能実習生や企業の人たちは自分たちが良ければいいと考えている人が多いようです、残念ですが。

しかし技能実習生制度には「不正行為認定」というサドンデスなペナルティーがあり、これに該当すると当該期間技能実習生の受け入れができなくなりますし、日本人が集まらず技能実習生に労働力を依存している企業ですと、事業の停止、つまり廃業に追い込まれる事にもなり兼ねません。しかも去年末から不正行為の省令が改正され、厳格化されましたし。

組合員である企業が自らの意思でピンハネや給与未払い、人権侵害などの不正行為を犯して不正行為認定されるのは仕方ないとして、管理能力不足を指摘され組合まで不正行為認定されてはたまったものではありません。他の組合員さんや雇用されている技能実習生まで迷惑がかかるわけですから。

ということで、組合も目先の管理費に釣られずしっかり組合員を選び、加入した組合員にはしっかり監理・指導し、適切な技能実習制度の運営をして欲しいと思います。下の記事の組合理事長のような事をされると真面目にやっている人たちが迷惑するんで。

外国人実習生:不正受け入れ容疑 元理事長を逮捕

毎日新聞 2013年02月21日 02時30分(最終更新 02月21日 02時38分)

偽名で再入国したカンボジア人を外国人技能実習制度の実習生として働かせたとして、警視庁などが茨城県下妻市にある実習生の受け入れ団体「いなほ協同組合」の元理事長の男(63)を入管難民法違反ほう助容疑で逮捕していたことが捜査関係者への取材で分かった。同制度は実質的に1度しか利用できず、警視庁は男が再入国のため偽名を使うよう指示したとして調べている。受け入れ団体の責任者が、同じ外国人を不正に複数回受け入れていたことが発覚するのは初めて。

◇給与の一部抜き取りか

男は再入国させたカンボジア人から、給料の一部を抜き取っていた疑いがあり、警視庁が調べている。

逮捕容疑は10年、「研修」の在留資格で再入国したカンボジア人の男3人=いずれも入管難民法違反罪で起訴、1審で有罪判決=が偽名の旅券を所持していると知りながら、同年7月の同法改正に伴い「技能実習」の在留資格に変更するのを助けたとしている。

捜査関係者によると、男は過去に同制度を利用して働いていたカンボジア人を再び来日させようと計画。本名の一部と生年月日を変えるよう指示し、日本の戸籍にあたる「ファミリーブック」を偽造させ、カンボジアで正規の旅券を取得させて不法入国させたとされる。一連の事件の公判でカンボジア人が男から指示を受けたことを認めている。実習生として不法に再入国したカンボジア人は計10人程度になる見込み。

同組合は02年に設立。03年以降、研修・技能実習生として延べ約400人のカンボジア人を受け入れ、組合員の農家などに派遣していたという。男は04年8月〜12年12月に理事長を務めていた。

この事件をめぐっては先月末、同組合の関係者の男も同法違反ほう助容疑で逮捕され、別の1人も同容疑で書類送検されている。【黒田阿紗子】

受け入れ事業所8割違反 外国人技能実習生

2013年1月22日

中国やベトナムなどからの外国人技能実習生を受け入れている県内の事業所の八割で労働基準法、最低賃金法違反が二〇一一年度に確認された。岐阜労働局が二十一日、発表した。

労働局は県内七カ所の労働基準監督署を通じて九十二事業所を調査。78%に当たる七十二で違反が見つかり、複数の違反が判明したケースもあった。

最も多かったのは、残業代や休日手配など割増賃金の未払いで三十二件。次いで労働時間違反が三十件。一日八時間、週四十時間を超えていたり、超過の労使協定を結んでいなかったりした。最低賃金違反は二十二件。県内の当時の基準である時給七百六~七百七円以下で実習させていた。

労働局が是正を勧告した結果、未払い分の賃金計五千九百五十三万円が百二人に支払われた。

労働局によると、県内では一一年十月末現在で、千六百二十八事業所が実習生七千四百六十一人を受け入れている。全国で愛知県に次いで二番目に多い。

調査は、実習生からの相談や監督署が選んで実施。違反率は一〇年度が75%、一二年度は十一月現在で80%となっている。

労働局の「技能実習生等受入適正化推進会議」座長で、朝日大法学部の籾山錚吾(そうご)教授は「国としての信用にも関わるので、制度そのものを再検討する時期に来ているのではないか」と受け止める。

(井上峻輔)

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外国人旅行客チャイナ・プラス・ワン

道頓堀のかに道楽。お客の半数以上は外国人、店員さんも中国人留学生で国際化に対応してました

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先週中国、台湾などの中華圏では旧正月の長期休暇、ウチにも知り合いの台湾人一族が遊びに来て京都大阪、伊良湖、蒲郡、名古屋、高山白川郷などこの寒さにも関わらず遊び倒し&買い物し倒して行きました。

訪日外国人のインバウンド事情にはあまり詳しくないんですが、以前から中国人台湾人旅行客の春節中の豪遊ツアーは旅行業界では有名で、ニッパチで日本人客の落ち込む代替として一部の観光地や温泉などでは熱心に受け入れをしていたそうです(事実今年も岐阜の高山は雪見の台湾人で溢れていたそう)。

しかし、今年はビザ緩和、超円安にも関わらず尖閣問題により中国からの観光客が激減、冷えきってしまった(今後益々悪化?)日中関係を考えると、回復にも時間がかかるそうで、新たな受け入れ方法を模索中の所が多いよう。

訪中中国人旅行客がゼロになる訳ではありませんが、時代の流れには逆らえませんし今まで中国旅行客に依存しすぎていた観光地はインバウンドのチャイナ・プラス・ワンとして様々な国からの旅行客の受け入れを検討したほうがいいんでしょうね。

しかし、春節中の台湾人のガイドのせいで仕事が溜まりまくり、早期に挽回しなくては(苦笑)

尖閣・レーダー…春節商戦、中国人観光客が激減

10日、中国の旧正月に当たる春節を迎えたが、百貨店などの春節商戦は盛り上がらない。

日中関係の冷え込みで、来日する中国人観光客数は激減し、百貨店各社はあきらめ顔だ。一方、東南アジア諸国からの観光客は大幅に増えており、「新たなお得意様に」と取り込みに懸命だ。

◆普段通り

東京・銀座の松坂屋銀座店は10日午後、バレンタインの催事などでにぎわったが、中国人観光客の姿はまばらだった。ある店員は「以前は数百万円もする腕時計を買う中国人客もいたのだが、今年は仕方がない」と嘆く。昨年は、店内に中国語のポスターなどを掲げたが、今年の売り場にはない。

国内消費の低迷に悩む百貨店にとって、高額商品を大量に買い込む中国人観光客が押し寄せる春節商戦は「年に数度のかき入れ時」(大手百貨店)だった。

しかし、昨年9月の尖閣諸島の国有化以降、中国人観光客は激減している。独立行政法人・日本政府観光局の推計では、昨年10~12月の来日客数は前年同月比3~4割減で推移している。1月も「中国人客の売り上げは半減した」(松屋)という。

高島屋日本橋店は昨年、扇子や風呂敷など日本土産の展示コーナーを設けたが、今年はなし。そごう・西武も昨年は中国語の商品パンフレットを用意したが、今年は「普段通りのサービスで」(広報)と、一歩引いた構えだ。中国海軍のレーダー照射問題もあり、「中国人客と日本人客のトラブルも心配で、大きく打ち出しにくい」(大手百貨店)と苦慮している。

◆官民で誘致

代わって各社が期待するのは、タイやインドネシア、シンガポールなど東南アジア諸国からの観光客だ。

官民挙げての訪日プロモーションの強化やチャーター便の就航などの効果で、来日客数が増加した。昨年12月は、中国が2万7000人減の5万2400人だったが、タイ、シンガポールなど東南アジア4か国の合計は1万9000人増の8万3600人だった。

そごう・西武は「海外ブランドのバッグや時計など高額商品が人気で、購買意欲は中国人に負けない。好みや振る舞いも日本人に近い」と期待を寄せる。

大丸松坂屋は、花見シーズンに外国人観光客を対象に5%の割引券を配布するなど、幅広く誘客する予定だ。パルコは2月下旬からシンガポールの繁華街にある商業施設に渋谷系ファッションの特設売り場を設置し、現地の若者に、日本への買い物旅行を呼びかける。

タイやシンガポール、マレーシアなどに出店している三越伊勢丹グループは、各国のカード会員に日本行き航空券を抽選でプレゼントしたり、買い物クーポン券を配ったりしている。(沼尻知子)
(2013年2月12日07時04分 読売新聞)

春節 落ち込む中国人客
尖閣諸島を巡る日中対立が続く中、10日、中国の旧正月に当たる「春節」を迎えたが、観光シーズンにもかかわらず県内を訪れる中国人客数は低迷し、観光地から落胆の声が上がっている。例年、県内の外国人旅行者の約4割を中国人が占めるが、県は新年度、横内知事が初めてインドネシアでトップセールスを行うなど、中国以外での誘客に活路を求める動きが官民に広がりつつある。(久保拓、山口優夢)

◇予約激減

富士河口湖町浅川の「富ノ湖ホテル」では例年、約10日間ある春節の連休期間に中国人4000人が宿泊するが、今年は予約者数がわずか30人に激減。同ホテルの外川凱昭(よしあき)社長によると、昨年9月の尖閣諸島国有化以降、経営する同ホテルと鳴沢村のホテルで、11月末までに計5500件のキャンセルが相次ぎ、12月以降は中国人客の予約がほとんど入っていないという。外川社長は「まだ好転の兆しは見えない」と肩を落とす。

また、笛吹市の石和温泉旅館協同組合によると、昨年2月には加盟旅館34軒に中国人客約1000人が訪れたが、今年は大口の団体客が減少。昨年の3~4割にとどまる見込みだ。

◇てこ入れも

中国人客を増やすため、県は中国国家観光局や富士五湖観光連盟などと協力して9日、富士吉田市で日中平和友好条約締結35周年記念イベントを開催。程永華駐日中国大使らが出席し、交流ムードを盛り上げた。

県の外郭団体「やまなし観光推進機構」(甲府市)も、春節に合わせて320万円の予算で記念マグカップを1万個製作。1日から県内76宿泊施設に配布し、中国を中心とする外国人客にプレゼントするキャンペーンを展開中だが、「効果はまだ未知数」だという。

◇他国にも目を

観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2011年1~12月に県内で宿泊した外国人延べ20万4470人のうち、中国人は8万7510人(42・7%)で、全国平均(15・9%)を大きく上回った。しかし、外交問題のたびに大きく変動する中国人客に頼らないよう、観光業者や県は、韓国や東南アジア諸国からの集客に本腰を入れ始めている。

富ノ湖ホテルでは、10年に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を機に、「巨大な中国市場は魅力だが、より安定した他国にも販路を広げたい」と、タイやインドネシアに営業マンを派遣。昨年はタイ人宿泊者が一昨年より4000人以上増え、約2万人に達した。

石和温泉でもタイ、シンガポール、韓国などの観光客が近年増加傾向といい、同温泉旅館協同組合の山下安広理事長は「中国だけに頼らず、東アジア全体から誘客する必要がある」と強調する。

県は新年度、初めてインドネシアでトップセールスを展開し、横内知事が現地の行政関係者や旅行会社、メディアなどを訪問する。また、韓国の旅行関係者を県内へ招待したり、韓国のテレビ番組で県内観光地を紹介したりする事業も新たに打ち出した。

県国際交流課は「韓国や東南アジアは観光客の伸びが十分に見込める。中国人観光客の重要性は変わらないが、リスクの分散が必要だ」としている。
(2013年2月15日 読売新聞)

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